こころの処方箋 (新潮文庫)



こころの処方箋 (新潮文庫)
こころの処方箋 (新潮文庫)

ジャンル:自己啓発,能力開発,意識改革,自己改革,学習
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臨床心理学者であり幾多のカウンセリングを手がけた著者が、普段私たちがこころのどこかでは納得しているが、なかなかことばにできないような常識をエッセイとしてまとめたものである。その内容は26作目を数える上前淳一郎の人気シリーズ「読むクスリ」に通じるものがあり、人々の疲れ気味のこころを癒してくれる。

各章の目次タイトルは、「人のこころなどわかるはずがない」、「危機の際には生地がでてくる」「『理解ある親』をもつ子はたまらない」、「心の支えがたましいの重荷になる」など格言風に小気味よくまとめてあり、著者の専門家としての豊富な経験から調合された薬効ある文章が読者に語りかける。

また著者は遠藤周作の『生き上手、死に上手』から得られた「呪文」ということばを念頭に置き本書を手がけたという。「正しいとか正しくないとか、教えられるというのではなく「呪文」を唱えていると心が収まるのである」と著者は語り、自らも本書目次タイトルの1つを「唱えて」いるそうである。読者は自分の心に残った目次の言葉を選び、自分だけの「呪文」として楽しむことができるかもしれない。こころが少し風邪をひいてしまったなと思う読者や、自分自身の常識や創造性を振りかえってみたい読者には頼りがいのある1冊となるだろう。(青山浩子)



心の処方箋

ユング研究の第一人者で臨床心理学者の河合隼雄先生の書かれた「心の処方箋」その名前の通り、心に沁みる言葉でいっぱいです。

 私は本を読むときボールペンで線を引きながら読むのですが、この本は線を引くところが他の本に比べてすごく多いです。

 質の高い良い文章で大半が構成されていて、線を引かない部分を探すのが難しい章もあります。

 読む人によって印象に残るところは違いと思いますが、困ったときに読めばきっと心の処方箋になると思います。

 私が感動を受けたのは他にもありますが、読むときの自分の気持ちで感じ方も違うので手元において何回も読み直したいと思います。
普段頭で考えていることと、実際に感じていることの差異を明らかにしてくれる一冊

各章の題の中にある「人間理解は命がけの仕事である」であるとか「理解ある親をもつ子はたまらない」であるとか、これまである種逸脱した心をもった患者との修羅場をくぐり抜ける経験から、あるいはそうだったからこそなのか、文章の中に滲み出る人間に対する優しいまなざしに、静かな感動を覚える。「人の心など分かるはずがない」であるとか「心配も苦しみも楽しみのうち」であるとか、我々が普段頭で考えていることと、実際に感じていることの差異を明らかにしてくれるところなどは、心地よい脱力感を覚える。本書は週刊誌のコラムとして書かれたもので、4ページほどでしかないが、一つ一つ心に沁みるような内容で、知恵あることばとはこのようなものと思わせる文章である。本棚の常備薬としていつも手元に置き、心穏やかになりたいときに何度も繰り返し読んでいる。
「こころ」の温度

スピリチュアルな視点からの啓蒙本が多数出版されている昨今、「たましい」ばかりに人々は救いを求めているような気がしています。
それも確かに大切なことだとは感じつつ、一方で「こころ」と離れてしまっているのではないか…と感じていました。
河合隼雄さんの素晴らしさは、著書にも述べられているように「こころ」「たましい」「からだ」のどれも大切にされたからこその人間としての魅力だと感じています。

穏やかになる。

読む前は、むずかしい本なのだろうと思って読み始めたが
文章がわかりやすく、優しく、とても読みやすい。
そして、読みながらたびたび「へえぇ!!!」と感嘆すること数回。
感情は、人間は、複雑であるがこんな風に向き合っていけばいいのか・・・と
完全に理解は出来ないとしてもきっかけはつかめたような気がして
読み終えた後、とても穏やかな気持ちになりました。
心がささくれたら何度でも読み返したい、一生大事にしたい素敵な本です。
当たり前のことを「なぜあたりまえなのか」鋭く考察を加える

ユング系の心理学者で文化庁長官でもある河合隼雄の著作。
実はこの本に書かれていることは、誰もがわかっている「はず」のあたりまえのことばかりである。

たとえば・・・
「心のなかの勝負は51対49のことが多い」
「男女は協力し合えても理解し合うことは難しい」
「説教の効果はその長さと反比例する」等など

 「そんなことあるある」「そらそうだ」ということばかり書かれている本書。
 しかし、著者の心理学者としての豊富な経験を踏まえた具体的な事例を踏まえて書かれた「あたりまえのこと」は非常に新鮮ではっとさせられる。そして、読む者自身やその周囲の行動を、今一度問い直すことを迫ってくる。

また、「あたりまえのこと」を明確に伝えることの難しさを改めて感じさせた一書である。

 心理学者が書いた本だが、専門用語などまったく使われておらず、誰にでも読むことができる。



新潮社
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