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素数に憑かれた人たち ~リーマン予想への挑戦~
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| 商品カテゴリ: | 物理学,化学,数学,地学,科学,学習,知識
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| セールスランク: | 25648 位
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数学の魔性を知る
本書の原題は"Prime Obsession: Bernhard Riemann and the Greatest Unsolved Problem
in Mathematics"。リーマン予想なる今なお未解決の難題をめぐる数学的歩みと、それに翻弄
される数学者の物語。「奇数章には数学に関する解説を入れ……偶数章には、背景となる
歴史や伝記的な話題が出てくる」。
脳の回転数が落ちたせいか、数学を離れているせいか、あいにく最後の方の議論は私には
ついていけるものではなかった。
とはいえ、それはおそらく筆者や訳者の何らかの落ち度に由来するものではないし、事実
得るものはあった。対数関数や複素数、行列がいったい何をやっていて、それらがどのように
つながっているのか、そうしたことを覗き見れるだけでも私にとっては大きかった。
本書にとって最適な読者とは誰か、と余計なことを考える。私がにらむに、筆者はまさか
露にも思わなかっただろうが、受験数学の勉強に倦み果てた高校生、浪人生にこそ相応しい
のではなかろうか。
人知にして人知を超えた数学の驚異を垣間見せてくれるし、大学入試レヴェルの法則や
記号法についての説明、確認もなかなかきちんとしている。
演習問題こそ足りていないが、本書や吉田武『オイラーの贈物』の方が、凡百の参考書や
授業ごときよりもよほど的確、簡潔、なおかつ体系的に数学を習得できるように思われて
ならないのだが、さてどうだろうか。
とはいえ、受験生に独占させるのはあまりに惜しい。本書はそもそも「知的であり、かつ
好奇心もあるが数学者ではない」一般市民を対象としたもの。必要なのは最低限の数学の
知識と、例えば「ゼータ関数の…」との難解な表現だけでたじろがない勇気。
Wir mssen wissen. Wir werden wissen.
ヒルベルトのこのことばは、知を有するすべての人間へと向けられたものである。
素人向けに頑張って数学の解説をしている
「リーマン博士の大予想」を読んだ後で、“もうこの手の本は読まん”、なんて言っておきながら、結局読んでしまった。
この本は「大予想」より、かなり真っ当にリーマン予想を伝えようとした本だ。大学の理系学部でレベルから始めて、リーマン予想の何が面白いのか、かなり頑張っている。最後の方の数学はそれなりに面倒なので詳細は読み飛ばしたが、それでもそれぞれの章の結論さえ押さえれば、確かに面白い問題だと思えて来る。
素数の分布と、リーマンのゼータ関数の零点分布と、ランダム行列の固有値が一つに結ばれるなんて、ちょっと見には全然関係の無さそうなことに関係あって、それらの世界を行き来することで両方の世界の理解が進むのは確かに数学の醍醐味である。フーリエ展開の係数をベクトルとして扱うことが出来ると習ったときの驚きと似ている。もっとも、後者は既に知っている二つのことが結びついて驚いたのに対して、前者はこのために勉強したことの間の結びつきだったで驚きはイマイチだった。
基本的に数論って関係ないし、まだ戦い半ばで勝利の記録でもないし、やっぱり全体としての面白さもイマイチ。ただ、「大予想」でたまったフラストレーションの解消にはなった。
不思議の国の住人ゼータ関数
リーマンのゼータ関数の自明でないゼロが、どうして正数x以下の素数の個数を与える関数パイ(x)と関係するのかを分からせてくれる本である。建前として大学初年級の数学の知識で理解できることになっているが、実際問題として理系の数学を学んだ人でないと最後までついていけないだろう。通常こういう通俗数学書では、数学的な予備知識はコラムや付録に回すものだが、本書ではすべて本文に組み込まれているので、数学的な知識のある人はちょっと我慢しなければならない。しかしそれさえ辛抱すれば、内容はなかなか面白い。最近のコンピュータの進歩のおかげで可能になった数値的な結果がふんだんに紹介されていて、教育的である。
リーマン予想は、「関数ゼータ(s)の自明でないゼロは、すべてsの実部が1/2の直線上にあるだろう」というのだが、ゼロが無限個あるために、コンピュータでいくらたくさんのゼロについてそれを確かめても証明にはならない。リトルウッドが素数定理に関連したある予想がとてつもない巨大な数で破れることを示したから、リーマン予想も超巨大数で破れるかもしれないという意見がある。しかしリトルウッドの方は不等式で、リーマンの方は等式である。等式はそんなひねくれた振る舞いをしないものだ。
歯ごたえのある一般人向けリーマン予想解説本
フェルマーの最終定理が証明されて以来、数学における最大の魔力あふれる未解決予想として有名なのが、リーマン予想である。
ところがこれ・・・「ゼータ関数の自明でない零点は、全て実部が1/2の直線上に存在する」という、フェルマーの最終定理などと比べると非常に難解で、高校数学ですらストップしていたような素人にとっては、命題の意味を理解することすら困難なのである。それがなぜ凄いのかにいたってはさらに理解が難しい。
そこで本書は、高校数学は普通に終えたがゼータ関数をいじるほどには数学をやっていないような一般人向けに、リーマン予想と、その意義を解説してくれるのである。
ただ、数式があまり出てこないタイプの数学の啓蒙書と比べると難しい。
本書の適正数学力は、「高校数学のレベル」であるが、つまりは「高校数学を真面目に修学している」という意味であることには注意しておこう。
そんなわけで、しょっぱなからlogが当然のような顔で出てきたときは、かなり焦ったものである。少なくとも私は対数関数ってナンだっけ?なレベルだったので、読むのに非常に苦労したことを告白せねばならないだろう。
ただ、確かに本書は素晴らしい。素数定理の解説も、ゼータ関数も、たんなる雰囲気の伝達という以上に、そして真面目に計算するスキル未満のレベルで、しっかりと教えてくれるのだ。
また、本書の構成も良く出来ている。それは、数学的な記述と純粋な物語的記述が分かれていて、数学部分が判らない章は、物語部分だけ読めば、全く読み飛ばすよりもましな状態で読み進めることができる。
私は、後半の「ランダムエルミート行列」あたりの手前で、数学部分は挫折したが、素数定理が理解できたことと、リーマン予想が数学的にどういった意味であるかを理解できたために、かなり意義深かったし、実際にかなり面白かった。
ただ、私は読むのに本当に時間がかかったので、やはり、数学に対してズブの素人に近い人にはお勧めしにくい。逆に、高校で数学をある程度まで真面目に履修した人には、かなりお勧めできる一冊である。
リーマンの予想
この本はリーマンの予想がどんなものであるかを豊富な数式で分かった気分にしてくれた。
ソートイの「素数の音楽」読み物としてはすばらしかったが、さすがに数式がほとんどなしでは分かった気分になれなかった。この本を読んで改めて分かったのはリーマンは素数の量(数)を示す公式を定義したのであって、予想だけをしたのではない。リーマンの予想「ゼータ関数において自明でない零点の実数部は1/2である」はリーマンの素数公式の性格を決める(Wikipediaによればリーマンの予想がただしければ素数分布が完全に解かれる)がたとえリーマンの予想が間違っていたとしても1859年の論文の核心は正しい。
その核心とは素数の数を近似ではあるが最も正確に求められること。すでに証明されている素数定理はリーマンの素数公式に比べれば緩やかな制約の下に定義されているため荒い。リーマンの公式のクリティカルラインが0と1/2であるのに対し、素数定理のそれは0と1としている。
この本はエルミート行列、行列の固有値など久しく忘れていたことも思い出させてくれた。著者のダービーシャーが言っている。複素平面上のゼータ関数は何層もの面を形成するがそれがわかるようになるためには何年もの訓練が必要であると。数学者は四六時中数学のことを考えている(というより考えられるというべきか)ため普通の人にはできないことを想像できるのだろう。それにしてもリーマンは数学に関しては大胆でナポレオンのようだ。
途中で挿入されている話も面白い。数学関係では(もちろん、数学関係が最も多い)マイナス掛けるマイナスがなぜプラスになるかの見事な説明。オイラー積とエラステネスのふるいの関係。数学以外では、ナポレオンが「史上最高の数学者がいる」という理由でガウスのいるゲッティンゲンを攻撃しなかったこと。
日経BP社
代数に惹かれた数学者たち 不思議な数πの伝記 「無限」に魅入られた天才数学者たち 不思議な数eの物語 オイラー博士の素敵な数式
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